【授業紹介】観光地理学~街の成り立ちや人々の暮らしを歴史から学ぼう!

 観光文化学科では、観光および観光文化に関する幅広い知識を修得するために、専門教育科目として観光基礎、観光文化、ホスピタリティ、観光外国語、観光実践の5 つの領域を学ぶことができるカリキュラムを用意しています。今回は観光文化の領域の「観光地理学」についてご紹介しましょう。

~「観光地理学」?街の成り立ちや人々の暮らしを歴史から学ぼう!~

 観光が空間的にどのように発展してきたかについて、行く側の行動と、迎える側の組織化、双方の視点から歴史的な経緯を踏まえて解説する講義です。
 例えば、日本国内の場合、江戸時代は参勤交代の武士や一部の商人を除くと、何泊もして長距離を移動する経験のある人たちはあまりいなかったように思われますが、実は集落の代表者を当番制にして、参詣の名目で遠くまで出かけることが可能なしくみを持っており、同じ時代の伊勢神宮周辺には現在の「各種旅行サービス業」に匹敵する機能をもつ「御師」が活躍していました。
 また、講義ではソフトツーリズムから発展した観光が、ハードツーリズムの様々なコンテンツと共に存在している現在の状況も解説しています。テーマパークを取り上げた際には、たまたま授業前日に浦安市にある超有名テーマパークの新エリア誕生と重なったため関心を持っている学生も多く、議論を脱線してみんなで盛り上がる一幕もありました。
 このほか、「小江戸」や「奥多摩」など、ある種のイメージと結びついた地域名称のできかたと、観光との関係についても取り上げています。ちなみに「みんなで奥多摩に行きます!」といわれたら、みなさんならどんな観光目的で訪れたら楽しそうだなと思いますか?やはり「アウトドアとかキャンプの準備が必要なのかな?」とか一瞬考えませんでしたか?
 ところで、それって、いつから、どうやってみんなの共通認識として広まったのでしょうか。そういうことも講義では取り上げています。(担当:山下 琢巳)