川村学園女子大学の大学院は、平成11年(1999年)に人文科学研究科として誕生しました。
心理学専攻と生涯学習学専攻の2つの専攻でスタートし、その後、平成16年(2004年)に比較文化専攻博士前期?後期課程が設置されて現在に至っています。
それぞれ学部教育を基盤として、さらに専門性の高い教育と研究を展開してきました。その成果は、例えば大学院修了後に受験することができる臨床心理士の資格を取得した学生は170名を超え、公認心理師に関しては130名を超えていることにも示されています。
現代社会が抱える諸問題に対して、その本質を見据えて真摯に深く考え究め、問題解決能力を備えた指導的役割を果たすための人材育成が重要です。そこで本学大学院は、高度な専門性を持つ職業人や研究者の養成、さらに、意欲ある社会人の再教育を実施し、未来を担う人材の育成をめざしています。
男女共学の本学大学院は、「心理学専攻」、「比較文化専攻」(博士前期?博士後期)の3専攻で編成されています。最新の設備と教育機器、23万冊の豊富な蔵書がある教育環境の中で、学界の第一線で活躍する教授たちが、院生一人ひとりの個性?特性を尊重した丁寧な指導を行っています。
現代社会は大きな変動期を迎え、ますます複雑?多様化してきています。その現代社会との関わりの中で、人間の心やその本質について、さまざまな科学的見地から正確にしてトータルな知識を持つとともに、具体的な現実認識のもとで人間性の深淵をあきらかにすることが重要であり、人間社会の将来をいかに設定すべきかの切実な課題にとりくむことが求められています。
本専攻は、文学部心理学科を基として、その教育?研究の特色から、「臨床心理学領域」「心理行動科学領域」の2領域で構成されています。より高度な知識を修得し、独創性豊かな研究を行うことにより、広く社会における心理学関連の指導的役割や臨床現場でも活躍できる人材を育成します。
本領域は、2018年度からスタートした国家資格「公認心理師」や従前からの専門資格「臨床心理士」(本大学院は(財)日本臨床心理士資格認定協会の第1種指定校です)をめざす領域です。心の健康の問題の探究やそのために必要な測定?診断?治療?予後などの理論と技術を修得します。公認心理師および臨床心理士両資格取得をめざし、臨床スペシャリストへの道を志します。
本領域は、心理学をより専門的に学び、将来、心理学の専門的職業や博士課程(他大学院)に進学することをめざす領域です。知覚、記憶などの認知心理学分野、対人関係、文化などの社会心理学分野を中心に各分野を専門とする教員から研究指導を受けながら、人間の知的機能や対人機能のメカニズムを科学的に探求します。
本専攻の修了後は、臨床心理士やカウンセラーとして児童相談所、身体障害者更生相談所、精神薄弱者更生相談所、病院、クリニック、精神保健センターなどでの活躍が期待されます。
本学大学院の臨床心理学領域は、充実したカリキュラムおよび実習体制によりこれまで170人以上の臨床心理士を養成してきました。さらに、現任者や修了生合わせて130人以上の公認心理師を輩出しています。今後も受験対策、面接指導、個人指導等を通じて臨床心理士合格へのバックアップを丁寧に行っていきます。また、2018年度からスタートした国家資格「公認心理師」についてもカリキュラムを整え、臨床心理士養成を継続しながら、国家資格である公認心理師ともども、両資格取得に向け育成対応しております。
現代は、国家?民族?宗教間の対立が激化している一方、国際化?グローバリゼーションによって異文化交流が身近なものになっており、これまでのような分断された専門分野での研究を超えた枠組みが必要になっています。そのため本専攻は、2学部5学科を基礎とした人文学系の大学院として、「地域文化研究」「社会?文化コミュニケーション」「女性学」の3分野で構成され、博士前期課程(修士)と博士後期課程(博士)が設置されています。 博士前期課程では、文化、社会、宗教、教育、言語、ジェンダーに関する高度な知識を横断的に身に付け、現代社会の諸問題を解決できる人材を育成します。
博士後期課程では、人文学諸分野の研究者?教育者として、各組織の中核的存在として活躍できる人材を育成します。
日本文化、アジア?オセアニアの文化、ヨーロッパ?アメリカの文化を学際的な視野から研究します。文学?歴史?地理?芸術?芸能?民俗などの領域を基軸に、新しい視点を開拓し、発展させます。
世界の各地域をグローバルな視点から横断的?学際的にとらえ、宗教?言語?教育?情報?表象文化?地域活動など、現代社会の課題にせまるグローバル?スタディーズをめざします。
21世紀の大きな学問領域であり、男女共同参画社会の実現という社会的責務を負っています。ジェンダーの視点から人文社会諸科学を統合する新しい超領域的な研究を行います。
本専攻修了後は、高度な知識と教養を生かして、地方自治体や企業への就職、あるいはNPO/NGOでの活動、学芸員の資格を生かし美術館?博物館への就職、また、専修免許(中学英語、高校英語、中学社会、高校地歴)を取得し教育機関で次世代育成への貢献、さらには研究機関での活躍が期待できます。
より実践的に心理学を深めたいと考え、他大学からKawajoの大学院に進学しました。本学の付属機関である心理相談センターでは、先生のご指導のもと、私たち大学院生も相談者の方のカウンセリングを担当します。心理検査や解釈などを含め、多様な臨床現場を体験できるのが、他の専攻にはない大きな特長です。より現場に近い実践的な学びを得たいと思っていた私にとって、その願いが叶えられる環境は何よりのモチベーションとなっています。現在は、卒業研究のテーマでもあった「インタラクティブ?フォーカシング指向カウンセリング」に関する研究を継続しています。ゼミの先生はご自身の専門外を研究する私も快く受け入れてくださり、研究についても適切な助言をいただけてとても感謝しています。
心理学を広く学んだ4年間で、発達臨床?青年?学校心理学に強い関心を持ちました。大学院への進学を決めたのも、スクールカウンセラーに必要な公認心理師と臨床心理士の資格を取得したいと考えたからでした。現在は教育相談員として、教育センターや適応指導教室、学校と連携しながら不登校の児童生徒への支援を行っています。児童生徒と向き合う際、Kawajoの心理相談センターで多様なケースと対峙してきた経験がとても役立っています。臨床現場での多職種連携や、心理アセスメント、心理面接を間近で見せていただいたことは心理職として働く今も、大きな支えです。児童生徒の支援には、多職種の先生方との連携?協働が欠かせません。チーム一丸となって円滑な支援につなげられるよう、自己研鑽に努めます。